2006-11

見習い中か?

 たまにはこんな小ネタも混ぜましょう。

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院長先生の苗字らしいですけどね。

レインボー通商に行ってきた。

 今日は人と会う用事があって神保町へ行ってきたのだが、約束の時間まで余裕があったので、ちょっとぷらぷらすることにした。

 そういえば前に来たとき、北朝鮮書籍専門店「レインボー通商」がなくなっていた。
 以前は、神保町交差点のキムラヤの裏の道を入っていった、小さなビルの2階にあった。道に「レインボー通商」という看板がおいてあって、狭い階段を上がっていくと、入口のドアが開いていて、中を覗くと本やらCDやら新聞やらポスターやらが所狭しと並んでいた。品物を見ていると、「これおすすめですよ」「こんなんいいでしょう?」と、宮川社長が関西弁で次々薦めてくれたりした。

 久しぶりにレインボー通商に行ってみようと思った。まさか閉店したということもないだろう。どこへ行ってしまったのか、携帯版タウンページで調べて行ってみたところ、元の場所から見ると交差点の斜向かい。三井ビルとか東京パークタワーといった再開発ビルが立っている道の、1つ手前の道沿いに移転していたのがわかった。

 今度も古い雑居ビルの2階であった。以前も場所も決して入りやすい店とは言えなかったが、周りは飲食店があったりしてわりと明るい一角にあった。しかし今度の場所の周りには、本や資材の問屋とか、小さな出版社が並んでいて、日が暮れてからはほとんど人通りもない。
 まず1階の重いガラス戸を開けてビルに入る。「前に比べるとちょっと入りづらくなったなあ」と思いながら2階に上がる。すると足元に「朝鮮専門書店」という立て札が置いてあった。

 その先を見て絶句した。
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(携帯のカメラで撮影)
…いくらなんでも、これは入りにくい。秘境と言ってもいい。雑居ビルの中には場違いな「玄関ドア」が据えられていて、それをガチャッと開けて「ごめんください」という作りである。扉を開ければどんな人がいて、どんなものがおいてあるか知っていても、ちょっと躊躇する。

 まあとにかく中に入ると、店内は前より広かった。宮川社長のおすすめトークを聞いた後、私はCDを1枚「ジャケ買い」した。買ったのはこれ。
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グッとくるジャケ写である。誰だ。普通すぎる。田中さん(38歳。妻と5歳になる娘が1人。営業マン。ルート営業がメインで飛び込みはなし)の昼休みといった風情だ。
 モノはと言うと、北朝鮮のYMOと言われている(かどうか知らない)「ポチョンボ電子楽団」のCDで、「アン・チョンホ作曲集」と書かれているので、アン・チョンホ氏自身なのかもしれないが、ずいぶんと冴えない写真である。

 矢も盾もたまらずというか、とにかく即買い。2500円の出費となった。CDの中身は全て声楽曲で、将軍様とか、わが祖国が云々とか、英雄兵士がどうのこうのとか歌っている。「相撲はよい」という曲が気になる。内容はまあさておき、とりあえず「いいものを買った」と言っておこう。

 レインボー通商ホームページ→http://www.rainbow-trading.co.jp/
 最近はさすがに韓流モノも扱っている。

坂道を測定する(1)

 近所に坂道が多い。というより、坂道でない道はほとんどないぐらいだ。その急な坂道を測定してみようと思った。
 常日頃急だと思っている坂はどのぐらいの傾斜で、道路標識「急勾配あり」で表現するならば、どの程度のパーセンテージで表されるのか知りたかった。知ってどうするのかと言われると困るが、そういう意味のないことほど知りたいものだ。測りたくなるほど、その坂は急なのである。

 使う道具はこれ。斜面に置くと針が傾くしくみ。ハンズで2000円ぐらいで買った。

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 写真だとわかりにくいが、弧の内と外に目盛りがあり、内側は角度、外側は勾配を示す値が示されている。この外側の値を読んで、裏面にある「法勾配及角度対照表(のりこうばいおよびかくどたいしょうひょう)」に当てはめると、水平長(地図上の長さ)、垂直長(高低差)、法長(斜面の長さ)を知ることができる。高校のときに習った、サイン・コサイン・タンジェントのあれだが、習ったことは何も覚えていなくても、表を見ればわかる。大変便利だ。

 行き止まりの坂道まで入れれば、急な坂道なんていくらでもありそうだが、今回は、先へ通じていて車もバリバリ通る坂道を2本測ってきた。

 まず1本目はこれ。1枚目の写真は遠くから撮影したものだが、この中央にチラッと見えている坂をやってみたい。この坂は角度もさることながら長い。1万分の1地形図によると、長さ220メートル。高低差は33メートルほどらしい。

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白い軽トラはなにやらこんな坂の途中に駐車。それをタクシーが追い越していったところ。

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坂の下から見るとこんな具合。唐突に急坂が始まる。

 測ってみる。どうしたらうまく撮れるだろうかと考えた結果、測定器を道に置き、それに向けてデジカメも置き、ファインダーなんか見ないでシャッターを押す。そうして撮れたのが下の写真。方法としてはこれでいけそうだ。
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上りはじめのあたり。このあたりからものすごいのかと思っていたら、意外に振るわず9度。

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もうすこし上った所。しばらく画像を見ていると、首が上を向いているような気持ちになってくる。

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だんだんノッてきました。12度。

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下を眺める。もうこんなに上ってきてしまいました。

 道は、その先で少し狭くなり、屈曲する。いつも通っていて、この辺りの一瞬がいちばんの急勾配ではないかと感じている。

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対向車待ちで一時停止。この上り口のガードレール脇がいちばん急ではないかと思われる。

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おお!瞬間最大斜度ながら15度を達成。

 この後は、12度程度を保ちながら頂上まで上るが、見通しが悪くて危険なので、計測写真はナシ。

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山頂が見えた! もはや気分は山登り。

 上りはじめで9度、瞬間最大傾斜で15度だったが、それがどの程度の坂道なのか。角度ではわかりにくいので、道路標識の「%」表示に変換してみる。
 あの%は、「高低差(垂直長)÷地図上の距離(水平長)」で算出できるのだが、初めに「振るわず」と言ってしまったが9度でも既に約16%に相当する。平地から突然に16%の勾配は衝撃的だ。実際、車で下ってくると交差点で地面にぶつかりそうな感じがする。
 その後、角度と%の対応は約11.5度で20%、14度で25%となり、瞬間最大斜度の15度は、27%ほどに相当する。27%の上りといえば大したもので、そんな標識が出てきたらちょっと身構える。

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頂上から下りる際、乗用車の目の高さからの眺め(少し屈んで撮影)。下は何も見えない。

 もともと「知らなくてもどうでもいいこと」であるだけに、「なるほど。大したものだ」ぐらいな言葉しか出ないのだが、27%という結果は満足のゆくものだった。
 坂を上った先は工業団地である。1本目の測定を終えた後は、文明堂の工場直売店でおやつを買って、2本目に向かう。2本目もこの工業団地につながる坂道である。次のほうが、長さはないものの、部分的にはこれより急なのではないかと踏んでいる。

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文明堂の看板。工場だって「電話は2番」。

坂道を測定する(2)へつづく

坂道を測定する(2)

 続いて2本目。

 今度のはさきほどのに比べると狭く、交通量は少ない。しかし車で通ると、こちらの方が怖い。特に下りるときはジェットコースターの下りる瞬間と同じ気持ちになる。もしかしたら、道が狭くて見通しが悪いせいなのかもしれないが、考えるより手を動かせ。とにかく測ってみよう。工業団地の一角のとても目立たないところに、その入口はある。

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ここが入口。角のミラーが「ここは車が出入りしますよ」ということを暗示している。

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曲がるとやっぱり、その先は急角度の下りになる。

 てっぺんに立って下を眺めると、コンクリートの舗装に○ ○ ○模様が描かれた、いかにもな急坂である。微妙にぐにゃぐにゃしているが、幅は車1台分しかないので、途中での行き違いはできない。途中で対向車に出会ったら、広いところまで戻らなければならない。

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坂のてっぺんから下を眺める。車が落ちてゆく。

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12度からスタート。もうこの程度では驚かないが、平地から急に20%の下りということ。

 測定写真も何枚も撮っていると慣れてくるもので、光の向きを考えつつ、測定器置いて、カメラ置いて、シャッター押して…と、5秒程度で撮れるようになった。
 さて、1本目の電柱の辺りがいちばん急なようなので測ってみる。

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上からよりも、下から眺めた方が大迫力。これはまずいだろ。

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わあ。やった、やったよ。母さん!18度だよ!

 驚くべきことに18度を記録した。やはり、こっちの坂の方が怖いという感覚は正しかったようだ。パーセンテージで表すと、なんと33%ほどに相当する。一瞬とはいえここを車が上り下りするのですよ。それは無茶だ。危険すぎる。

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コンクリート坂の上りはじめ。赤い車はものすごい高いところに止まっている。

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このあたりで14度。いやいやこれでも相当大したもんだ。

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遠くから坂を眺める。見通しが悪くて、狭くて、急坂。横浜新道の終点が渋滞しているからと言って、抜け道に使おうなどとは決して思ってはいけない。

 できるものなら、車が落ちてくる様を下から大迫力で撮影したかったのだが、そんなことできるわけもなく、車がきたら避けるだけで精一杯だった。
 こっちの坂は、このコンクリート舗装の部分に凝縮された感じで、ここを過ぎると、わりとおとなしい緩やかな坂道になる(ただし300メートル以上延々と下り続けるが)。

 ヤマハが出している電動スクーター「パッソル」の登坂性能が約9度だそうで、ホームページを見ると、「9度って実はかなりの急坂で、そんな所でも行けるんだぜ」ということを売りにしている。たしかに9度は一般的には大した勾配だ。ところが今日2本測った中では、9度なんてのは、1本目の最初のあたりだけ。この町にはそんな甘っちょろい乗り物はお呼びでないらしい。

 家の近所にこんな坂道がザラにあるなんて、すごいことだと思った。…やはり、「知らなくてもどうでもいいこと」なので、こんな感想しか出ないのだが。やってる本人が楽しければそれでいい。
 ということで、乱暴に終了。今日はこれでおしまい。

猫が毛玉を吐く件について

 猫を飼っているわけではないが、目の前で猫が毛玉を吐くのを見たことがある。

 うちの近くにはノラ猫が何匹かいる。ある日そのうちの1匹が、向かいの家のガレージに神妙な面持ちでじっとしているので、「なんだ?」と思ってみていたら、そのうち「ミャア」と一声あげながら、「ゴポッ」という感じで毛玉を吐いた。その様子はいささか苦しそうだった。

 世の中には、毛玉を吐かないように調整してくれるキャットフードがあるという。自分の愛猫が苦しそうな様子で毛玉をしょっちゅう吐くのを見ていたら、どうにかしてあげたくなるのが飼い主の情というものだろうと思う。
 その気持ちは理解する。だが、猫は実際に苦しいのだろうか。もしかしたらそんなキャットフードは猫にとっては余計なお世話だったりしないのか。

 猫はきれい好きなようで、しょっちゅう前足をペロペロなめている。なめた前足で顔の手入れをしたりする。「猫が顔を洗うと雨が降る」と言い習わされるほど、古来よりお馴染みの動作だ。
 私は、猫が毛玉を吐くというのは、いわば決まりきった「しくみ」として先祖代々受け継いできたものであって、もしかしたら猫自身は何とも思っていないのではないかと思うのだ。それに、自らの体に負担がかかることであれば、進化の過程において改善されているはずではないか。

 私が見ていた毛玉猫は、ぐーっと伸びをした後こっちを見て、「なんでしょうか?」というような顔をしたかと思うと、すっきりした風であっちの方へ行ってしまった。

 アメリカのテレビ番組とかで、動物と会話できる人が出てきたりするのがあるが、そういう人に「あんたたちさあ、毛玉吐くけどさあ、どうなの?それ。苦しいの?」と、ちょっと聞いてみてもらってみるわけにはいかないだろうか。
 毛玉を吐かなくなるエサを与えられていて、「毛玉吐かねえとどうもシャキっとしねえなあ」と思っている猫もいるんじゃないかと思うのである。

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夏の暑い日。余りにも無防備に昼寝する猫。
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写真を撮ってるのに気づき、びっくりして起き上がった。

ニューポートビーチ

 私は、自分で服を選んで着るようになって以来、背中に字の書いてある服は着たことがない。誰がどんな気持ちで見ているかわからない。そんな服を着ていようものなら、背中が気になって気になって、むずむずするような気がしてしかたないだろうと思う。

 今日の帰宅途中。駅から自宅までの道すがら、前を歩いている人のジャンパーにこう書いてあった。

Ocean Pacific
NewPort Beach


 横文字で書いてあると、なんとなくなんでもかっこよく見えるのだが、これ、日本語で書いたなら、

太平洋
新港海岸


である。

 日本語にしてしまうと、例えば、どこかの港まつりで地区ごとに出店を出している。その揃いのハッピか何かのような趣になる。あるいは漁協の班とか。

 背中に何か書くなら、何か思うところあってメッセージ性のある言葉を書くならまだしも、港湾関係者でもない自分の背中にでっかく「新港海岸」というのは、どうしたもんかなあ…と思う。
 帰ってきて調べたところによれば、"Ocean Pacific"というのはハワイのサーフブランドらしいのだが、まあやっぱり、背中に字の書いてある服は着ない方がいいと、その気持ちを新たにした次第。

難読漢字

 私は地図が好きだ。パソコンが立ち上がるまでの間、歯を磨いている間など、片手に何かしら地図を持って眺めていると、そういったちょっと手持ちぶさたな時間を心豊かに過ごすことができる。
 そして私は漢字が好きだ。となれば、なんと読むのかわからないような地名、いわゆる難読地名というのが、いやがうえにも大好きだ。

 兵庫の宝塚市に「いそし」という地名がある。それがこんな字を書く(下の空白をマウスでドラッグすると見えます)。

 伊孑志

 ・・・。真ん中の字は「子」ではない。何か釈然としない「もやもや」を感じる字だ。「子」と形が似ているから、ネット地図なんかでも間違って書かれていることがあるが、正しくは上の字。漢和辞典によると、この字は「子どもの右腕がないさま」をかたどった字(!)で、「単独の」とか「ちいさい」という意味らしい。

 で、逆に「子どもの左腕がないさま」をかたどった字というのもあって(それだけ細分化する理由がわからないが)、その二字を連続して書くと、なぜか「ぼうふら」の意味になる。それがこれ。これは私が知っている中でもっとも衝撃的な漢字である。

 孑孒二文字目は「子」の横棒を、縦棒との交点から右半分だけ書いてね

 何をかたどったのか知らなかったとしても、ちょっとした恐怖感さえ覚えるバランスの悪さ。何か強いものが頭の芯のほうにぐわんと来る。子どもが見て泣きそうな字だ。
 まあね。とにかく思うのは、「漢字ってすごいな」ってこと。

山の中の「工」印

 横浜から東海道線か横須賀線に乗ると、保土ヶ谷の先でトンネルをくぐる。その先の戸塚は今でこそ横浜市であるが、その昔は相模の国。東海道線のトンネルは武蔵と相模の間の国境のトンネルであり、箱根駅伝で有名な権太坂は、国境の峠なのである。

 今日はいい天気だったので、その国境越えの山道を散歩してきた。
 東戸塚駅の西口から線路沿いの道を行き、ちょっと坂道を登ったところにその道の入口がある。

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上の写真、矢印で示したのが入口。地図と照らし合わせて、分岐する角度から「どうやらここが入口らしい」と判断し、入ってみる。
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入ったとたんにこんな急坂。写真だとわかりにくいが、ものすごい勾配なのである。
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栗畑の脇を通り抜け、まだ登る。
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登りきってしばらく行くと、左手に産業廃棄物の山が現れる。
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その先でこれを見つけた。

 タイトルの「工」印とはこれのことで、コンクリート製の境界杭とよばれるもの。「工」印のものはJRの鉄道用地との境界であることを示していて、同じものは、線路沿いを歩けば簡単に見つけることができる。ちなみに「工」の字は明治の初めの官庁の一つ「工部省」が鉄道を経営していた名残りである。
 さて、これがなぜ山の中にあるのか? 埋めてあるのが道の左側なので、そっち側が鉄道用地であるわけはない。で、持参の地図を見て「おや?」と思った(→地図はこちら(ちず丸)

 どうやら、この境界杭の下を貨物線の猪久保トンネルが通っているらしいのである。境界杭にそういう使い方があるとは知らなかったし、ほかに何か所かある、道とトンネルとの交点付近では「工」印は見当たらなかったので、確かにそうなのかと言うとちょっと微妙ではあるが、でもそう信じたい気がした。今歩いているこの下の深いところを線路が通っているのかと思うと、なんとなく楽しくなる。

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境界杭を過ぎると間もなく舗装道路に出て、山道はおしまい。
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道路から山道の出口を見るとこんな感じ。こんな所から人が出てきたらびっくりする。

 こんな思いもかけぬ発見があったりするから散歩は楽しい。歩き始めると5キロやそこら平気で歩いてしまう。境界杭については、ほかに同じような所がないか、また別のトンネルの上を歩いて、研究してみようかと思う。山手のあたりなんかよさそうかな。

年寄り菓子は不滅です。

 年をとるにつれ、味覚はだんだん変わってくるという。齢三十を少々過ぎ、ときどき、体が年寄り菓子を求めるようになってきたらしい。
 年寄り菓子というのはもちろん正式な分類ではなく、私が勝手にそう呼んでいるものだが、おばあちゃんの部屋に行くと、蓋つきの入れ物にどっさり入っている、ああいう類の菓子だ。「お菓子の太子堂」とかにいくと山ほど売っている。

 私は年寄り菓子の存在について、こう思っていた。現在第一線に並んでいる菓子が登場する前からあって、今のお年寄りたちは昔からそういう菓子類を食べてきた。でも若い人が新たにそれらを手にとることはない。その結果、現在は「年寄りばかりが食べる菓子」になってしまったのだと。早晩廃れゆくものだろうと、そう考えていた。
 でも、自分がそれを求めるようになったことを考えると、どうもこれまで考えていたような流れで現在の年寄り菓子が存在しているわけではないようで、年寄り菓子は今後、繁栄の時代を築くことはなくても、未来永劫消えることはなさそうである。

 そんなわけで、私はときどき年寄り菓子を買う。しかし頭の中に、何か「老いゆく自分」を認めたくないらしい、年寄り菓子の購入を阻止しようとするやつがいるらしく、欲しいと思って手にとるのだが、それをレジに持っていくまでに、なぜかたいへん時間がかかる。どうしようか、買おうか買うまいかと長時間迷う。年寄り菓子は総じて250円〜400円ぐらいで、少々高いのも理由かもしれないが。
 私の好みは、乾いた白あんの入った栗饅頭や、一口羊羹(かし原の塩羊羹が好み)など、うすら甘いもの。オブラートに包まれた寒天ゼリーもよい。昆布のくちゃくちゃするやつなどは上級者向けだから、まだ手が出せない。昆布の菓子を求めるようになったころには、もう一瞬の躊躇もなくレジまっしぐらな私がいることだろう。

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年寄り菓子は、地方の小さなメーカーで作っていることが多い。上の栗せんべいは名古屋の「福寿製菓舗」、下のあん切りは岡山の「豊島屋製菓」の作品。また、ネーミングやパッケージも見どころ。本文中に挙げた「かし原の塩羊羹」などすばらしいデザインなので、一度探してみていただきたい。

BEN'S BITTER ROSSO

 ここしばらく飲んでいる飲み物がある。

 それが表題の「ベンズビターロッソ」というイタリア産の炭酸飲料なのだが、どこかで広告を見たわけでも、誰かに薦められたわけでもない。単にカルディで安売りしていたから買ってみた。
 100ml瓶が6本入りで1260円のところ294円という、どうかなっちゃっているお値段。会計の際、あまりの安さにレジのおねえさんが棚を確認しに行ったほどだ。

 箱を見ると「カンパリソーダのような味わい云々」と書かれており、飲んでみると、たしかに甘くて苦いカンパリの味がする。ただ、カンパリはいろいろな生薬の成分によってあの味が作られているらしいが、こっちは「砂糖、酸味料、着色料、香料」で全部である。いわばパチモン。「カンパリ風味」ということで。まあ、カンパリ自体うまいもんとも思わないが、「風味」にしてはよくできた味だと思う。

 で、この飲み物に対して誰か感想を述べている人はいないかと思い、ネットで調べてみた。すると、あらら…。同じ時期に同じ程度の投げ売り価格で買ってる人がいる。この人とか、この人とか。
 それが、1人は大阪の人で、もう1人は埼玉の人。そして私は神奈川の人。どうも、何か訳あって全国的に大放出されている香りが芬々と漂う。輸入元の「ノルレェイク・インターナショナル」と発売元の「重松貿易」。両社は今日も元気でやっているのだろうか。そればかりが気になる。
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苦くて赤い。名前そのまま。

神について。

 我が家において、「神」と称される人がいる。その人とは、NHKテレビで夜10時前のお天気コーナーを担当している、気象予報士の平井さんだ。

 平井さんのお天気コーナーでは、画面右端の各種お天気マークを触ってから地図上をポンッと触ると、動きのあるお天気マークが地図上に表示されるような画面を使っている。
 
 平井さんは、一片の迷いもない動作と常に爽やかな表情で、ある時は日本全土に太陽の恵みをもたらしたかと思えば、またある時は雷雨をとともに高波を起こし、かと思えば今度は「」なんて文字を登場させ、人々を凍えあがらせたりする。あたかも平井さん自らが照らし、曇らせ、嵐を起こしているかのように。その様はまるで、あらゆる気象現象を司る神であるかのようだ。

 天気予報というのは、悪天荒天に対する注意を促すことが多いため、必然、平井さんが起こす気象現象は荒っぽいものが多くなる。どちらかといえば、残酷な神と言えるかもしれない。そんな時、平井さんは実に爽やかに、民を残酷な目に遭わせるのである。そのぶん、全国的に「はれ」マークの日には、心からの祝福を与えてくれる。

 我が家では平井さんがお天気マークを画面に表示させるたびに、「お!」「神ぃ!」などとはしゃいでいる。全国の天気概況ばかり見て喜んでいて、肝心の関東の天気予報はちっとも記憶に残らないのだが。

 平井さんのホームページ→http://www.soramite.com/index.html

湘南平へ行ってきた。

 夕方から妻と一緒に「湘南平」というところへ遊びに行ってきた。大磯町と平塚市にまたがる山のてっぺんで、テレビ塔に付随した展望台があるらしい。ということは知っていたのだが、まだ行ったことがなかった。

 戸塚からは車で1時間ほど。意外に近い。「←湘南平」という交差点を曲がると、唐突に山を登り始める。その急勾配の途中にも家を建てて住んでいる人がいる。よく暮らしているもんだと思う。
 それを登りきったところが湘南平で、駐車場がある。標高180メートル。平らな山のてっぺんが公園になっていて、もうこの時間には閉まっているがレストランもあったりする。

 テレビ塔に登る。上下二層の展望台があって、上の展望台で地面から15メートルぐらいの高さだろうか。地面の標高と合わせると200メートルぐらいになるかと思う。でも、上の展望台は金網が張られていて眺めはよくない。そして、その金網には無数の南京錠がかけられている。どうやら、男女が願いを込めて南京錠をかけておくと結ばれるとか別れないとかそんなことらしいのだが、あまり見栄えのいいもんではない。
 ということなので、眺めるなら金網の張られていない下の展望台か、レストハウス屋上の展望台がいいようだ。

 写真を撮ってみたが、夜景撮影は難しい。やっとこんなもん。
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北側の夜景。住宅地の中を時おり新幹線が通過するのが見える。
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これは東側。平塚の町と、その向こうは茅ヶ崎から鎌倉方面
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テレビ塔と満月。たまたま今日は満月だった。

 展望台に登った子ども達が「くうきがおいしいなあー」などといい加減なことを言っているので、下から妻が「うそ!」と言ってやったら、子ども達はげはげは笑っていた。

 帰り道。小田原厚木道路の側道(国道271号線)を通ってきたが、隣りの小田原厚木道路は大渋滞。「行楽地からの帰り車」というやつである。この人々は、厚木からまた東名の渋滞にはまることになるのだろう。私たちは、それを尻目に無料の道をスイスイ走り、帰りも約1時間で帰ってきた。

横浜市営バス109系統(1)

 横浜市営バスに109系統という路線がある。本流は桜木町駅を出て新山下から首都高に入ってベイブリッジを渡り、大黒埠頭のスカイウォークまで行くという路線である。スカイウォークというのはベイブリッジに設けられた展望施設で、そこへの観光客輸送と、大黒埠頭の倉庫や港湾施設への通勤の足を兼ねている。
 その本流のほかに横浜駅西口から出る、朝夕のみ運転(日曜は休み)の支流があるのだが、これがとんでもない路線で、横浜駅西口を出るとすぐに首都高に乗ってしまい、スカイウォークまでノンストップ。路線バスの車両なのに首都高を10キロあまりにわたって爆走するのである。それに今日初めて乗ってきたのだが、まさに驚きと感動の連続だった。

 横浜駅西口から首都高に入ると、石川町方面へ向かうため、すぐに金港ジャンクションを右へ行かなければならない。そこで、ぐわーっと一気に2車線の車線変更(!)をする。心構えはできていたとはいえ、かなり強い衝撃だった。まずこの一撃でだいぶやられた。
 つづいて、左にみなとみらいの街並みを眺めながらのドライブである。高い車窓から車窓を眺めるのはとても気分がいい。…が、冷静になって思えば明らかにおかしい。車窓の景色は首都高なのに、乗っているのは路線バスである。私がここを車で走っていて、路線バスが走ってきたら「おい、どうしたんだ。道間違えたか?」とでも思うだろう。
 途中に停留所はないから時間調整は不要だ。みなとみらいから石川町にかけてのトンネル区間は急カーブが続くが、そこをものすごい速さで走る。いつもはおとなしく走る市営バスの運転手も本当はとばしたいんだろう。抑圧された毎日から解き放たれた喜びが伝わる走りだ。
 私が目を丸くして驚いている様子を運転手が見たのかわからないが、車線変更禁止区間で京急のリムジンバスを追い越した。どう考えても、リムジンバスはこのバスより高速運転に適しているわけで、路線車がそれを追い越すのは絶対におかしい。路線車にこれだけの可能性が秘められていたのかと感動した。

(2)へつづく。

横浜市営バス109系統(2)

 トンネル区間を抜けると道が広くなってくるので、だいぶ安心する。本牧ジャンクションからベイブリッジに入るともうそろそろ終わりだ。ベイブリッジで左に横浜の夜景を眺めつつ感動を噛みしめる。ああ、本当にすばらしい路線であった。これまでいろんなバスに乗ったが、これはその中でトップクラスだ。1位をあげてもいいかもしれない。もっと早く出会っていればよかったと思う。私はもうすっかり魂を抜かれてしまったかのように、ぽかーんとした顔で大黒ふ頭出口へのぐるぐる道を運ばれていった。
 かくして、横浜駅西口から18分間の冒険アクション大作が終わり、私は感動覚めやらぬままスカイウォーク前に降り立った。この路線は、バス愛好家ならずともかなり楽しめると思うし、スカイウォークへの足としても便利だ(ただし、スカイウォークが20時まで営業していて、かつ、このバスが走っている金曜と土曜のみ)。多くの人に“早く”知って、乗ってみてもらいたい路線である。

 で、ここから大事。“早く”と強調したが、市営バスのホームページによると、市の路線バス再編計画では、109系統は今年度中に廃止の方向で検討されているらしい。まだいつなくなるということは明らかにされてはいないが、廃止反対運動が起こるとも考えにくく、さっさと廃止されてしまう可能性もある。乗るなら今のうちというわけ。私は今回初めて乗ったわけだが、廃止までにもう一度、一度といわず二度三度と乗っておきたいと思う。
 ついでに言うと、後から同ホームページで調べたところによると、横浜駅西口からの所要時間は、1分早かったぐらいでほぼ定刻だったらしく、決して運転手が楽しくてとばしていたわけではなかったらしい。あの走りで定刻という時間設定は見直した方がいいような気がする。

109_yokohama.jpg
これが衝撃の問題作。一度お試しあれ。横浜駅西口にて。

――横浜市営バス109系統 おわり


短縮。

 ずいぶん久しぶりに、雑誌「テレビブロス」を買った。
 我が家は新聞を取っていない。だから、テレビ番組表を見ること自体が久しぶりだったのだが、独立U局(全国ネットワークに属していない、テレビ神奈川とか東京MXとか千葉テレビなど)の番組表がすごいことになっていた。

 たとえば、ある日のとちぎテレビ。

10.00買物◇うた
11.00買物◇N
 0.30買物◇料理
 3.00買物◇演歌
 4.00買物◇ジオ


といった具合だ。ここで目立つ「買物」というのは、いわゆるテレショップ、通販番組である。制作力に乏しくスポンサーもつかない、これら独立U局は、テレショップという番組の体裁をとったCMを流しつづけることで、なんとか生き長らえている状況なのである。

 とまあ、硬い話はさておいて、そんなわけなので、昼間はほぼショップチャンネルである。
 そして、独立U局の番組表というのは紙面の隅っこに追いやられ、狭いスペースに端折って書かれる。その狭いスペースをなおさら狭くする「Gコード」(ビデオ予約を簡単にするための最大8桁の数字)も問題だ。
 そんなこんなで、「ジャパネットたかた」だろうが「トーカ堂」だろうが「緑効青汁」だろうが、すべて「買物」の一言に束ねられ、上のような書かれっぷりになる。ニュースや料理や演歌も大事だが、買物最優先。「とにかく買物しなくちゃ始まんないでしょうが」という勢いだ。

 「ジオ」も気になるが、ひとまずおいといて、次に、ある日の東京MXテレビを見ると、さらにとんでもないことに。

5.00癒◇N◇買◇東京◇
    メルモ◇買
9.30健康◇買◇献立◇小京
    ◇ウララ
1.00買◇N◇買◇通◇買◇
    ドーラ◇買


 ここでもテレショップが幅を利かせている状況は同じであるが、その書かれっぷりにおいては、スペースはさらに逼迫し、「買」。これ以上ないところまできてしまった。そのほかにも「癒」「通」など、漢字一字の番組が並ぶ。年末にやる、「今年を象徴する漢字」を発表するアレみたいだ。あとはだいたい推測がつくものもあるが、「ドーラ」は何だ。

 1時以降を声に出して読んでみる。

 かい・えぬ・かい・つう・かい・どーら・かい

 何の呪文だい。
 んー。こんな役に立たない番組表は、もはや載せなくてもいいんじゃないかなあ…と思うが、どうなのか。

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プロフィール

きちい

Author:きちい
好きなこと:
ぷらっとそのへんへ出かけること。もちろん遠くへ出かけることも好き。それから、おいしいものを作ることも好き。
住んでいるところ:
埼玉県の川口と浦和と岩槻と越谷の境目のあたり。

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