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2016-03

末広亭と日中関係

中国語の仕事もお受けするようになって、おかげさまで忙しい日々を過ごしております。

仕事がひと段落し、今日は何もしなくてもいいかな…という気持ちになったので、新宿末広亭へ行ってまいりました。

私は、寄席の番組を見る際に、
①鈴本演芸場→②浅草演芸ホール→③新宿末広亭→④国立演芸場
という順序で調べていくわけですが、鈴本が今日に限ってまさかの夜席貸切興業!(そんな偶然ってあるんスか)
そして、国立は金曜しか夜席ないので、今回は除外。

さあ、浅草演芸ホールと末広亭の二拓になりましたが、浅草はグッとくる出演者が一人もおらず、次に、末広亭の番組表を見たら、なんだかすごい予感がしたので、家からはちと遠く、なかなか足が向かない末広亭ですが、行ってまいりました。

前半は、文左衛門さんや権太楼さんの古典で進み、後半は、なんということでしょう。百栄、白鳥、小ゑん、彦いちという、オール新作派のすごい顔ぶれ。

結果…

百栄さんは、誘拐犯と誘拐された娘とその父の話。
白鳥さんは、千葉の内房出身者と外房出身者が大喧嘩を始め、落ちが「暴走(房総)が止まりません」という話。
小ゑんさんは、ケチな鈴木係長の昼飯の話。
彦いちさんは、マイナンバーの将来を予想したSFチックな話。

トリの彦いちさんが、もう7日目だけど、ここまで後半には、熊さん八つぁんご隠居さんは一人も出てきてないと言ってました。

前半のきく麿さんも「スナックヒヤシンス」だったので、落語は、3分の2ぐらいが新作というものすごい比率になってました。

私の後ろの席には、おそらく落語ビギナーと思われる若い女性2人。中入りの時に、

「いろんなこと知った上で聞くともっと面白いのかも」
「うん、いろいろ知りたいよねー」

てな話をしてましたが、その後はトリまで、そんな予備知識など全く関係ない話が続くんですから、どういう気持ちでお帰りになったのでしょう。また聞きに来てねと、願わずにはいられませんでした。

私は非常に面白かったですけどね。彦いちさんが、「今日は楽屋が気楽ですよー」って言ってたけど、厳しい大御所の師匠方がいないせいか、全員、新作をものすごくのびのびとやっている感があって、思い出に残る回になりました。


さて、末広亭に入る前にコンビニでおやつと飲み物の調達してる時に、こんなことがありました。

中国人観光客のおばさんが、一列に並んで会計を待つことを知らず、レジへ直行します。レジのお姉さんが「少々お待ちください」と言うと、意図は通じたらしく、おばさんは、そこでおとなしく待っております。

きっとレジのお姉さんは、やむなく、次にこのおばさんの会計を行うだろう思い、私が、中国語で「並んで」と言って列を示すと、「あら、そうなのね?」とにこやかに私の後ろに並ぶので、私の後ろにいた女性の後ろを示して「その人の後ろ」とさらに教えると、そこへ移動して行きました。

中国には、複数のレジに対して一列で並ぶ習慣なんてないから、教えてあげなければいけないし、まっとうな人であれば、教えればその通りにする。だから、もっと教える努力をしないといけないし、レジのお姉さんも、指で「あっち!」って指さして並ばせるべきなんです。でも、きっとそれは、一般の日本人にはできないんです。そうして、日本人はフラストレーションを溜めていくのです。

その時は、とっさにおばさんに教えたけど、たぶん、私があそこで教えないと、レジのお姉さんも、私の後ろに並んでいた女性も、中国人に対して悪い印象を強める可能性があるし、おばさんがちゃんと並んだことで、「教えればちゃんと並ぶんだ」ということを知ってくれたか知れない。そして、おばさんも次回はコンビニのレジで、列の有無を気にするかも知れないし、お友達にも「並ぶのよ」って教えてあげてくれるかも知れない。

日本人にも中国人にも、互いに不当な思い込みや偏見を持ってほしくはない。中国語を気負わずに話せるようになった日本人として、こういう役目もあるのかもね…と思いましたとさ。

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韓国語と中国語の翻訳をやってます。

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