2009-11

ネズミと宗教

 わが家のハムスター「さつきさん」が赤い糞をしたので、これはどうしたことかと思い、病院へ連れて行った。糞に薬をつけて顕微鏡で見てもらったが、特に問題は見られず、また続いたり、下痢するようなら連れて来て下さいとのこと。
 ジャンガリアンハムスターとしては、一般的にはもう寿命間近の2歳半だが、先生の所見では、毛並みもいいし、足腰も丈夫とのこと。野菜中心の食生活が功を奏しているらしい。

 赤い糞の原因としては、たぶんこういうこと。最近変えたぺレット(えさ)は赤と緑の色がついていて、それを食べてくれるようになったらしい。それで、たまたま赤いのを食べたときの糞だったということのようだ。
 私自身、赤い糞を見た日にそう推測して、試しに緑をやってみたものの、翌日の糞が赤かったので、「これはいかん」と思ったのだが、その次の日は緑の糞をしていた。ということは、つまり摂取から排泄までに1日半〜2日かかるということになる。どんだけ蓄えてるんだよと。でも、おそらく、そういうことなんだろう。

 さて、健康(それもかなり)だったことが判明して一安心したわけだが、最近、さつきさんに、変なことを覚えさせてしまった。さつきさんは押入れ用衣装ケースの中に家を建ててお住まいなのだが、家の脇の壁に丸い穴があいている。これは、私と妻で、さつきさんの住まいについて試行錯誤していた頃、回し車の軸をここへ差し込んでみた穴なのだが、その仕組みは不評だったようなので、すぐやめてしまった。それで、穴だけあいている。

 2週間ぐらい前に4〜5回ほど、この穴を通して、さつきさんに大好きなひまわりの種をやって見た。そうしたところ、「ここからは美味しいものが出てくる」と理解したらしく、何かにつけて、穴の匂いをかいだり、なめたり、かじってみたりするようになった。ネズミは小っこいくせに賢い生き物で、けっこういろんなことを覚える。テレビで見たんだったか、迷路を何度か歩かせることで道順をちゃんと覚えたりもするらしい。

 そんなわけで、最近は「おい、さつきさん」と呼んで(音よりもにおいに敏感なので、呼びながら家に向かって息をかける)手を出すと、家から出てきて、私の手に乗るより前に、まずは家の脇の穴を確認するようになった。そして、帰宅時にはまた穴の確認をして家に入る。まるで、朝な夕なのお参りである。腹が減ってる時とかは、何か出てこないのか?と何度も戻ってきて確認することもある(お百度)。そうしていると、ときどき、私が美味しいものを穴から出す(ご利益)。

 信仰、ひいては宗教の始まりというのはこういうものなのだろうか…、1匹のネズミの行動を見て考えた。そうして、私はまたときどき、ひまわりの種を穴から出してやる。となると、私は神か。こんな神で、なんだかごめんなさい。

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家と穴とさつきさんお参り


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すみか:埼玉県。川口みたいで、浦和みたいで、越谷みたいで、岩槻みたいなあの辺。
好きなこと:ぷらっとそのへんへ出かけること。もちろん遠くへ出かけることも好き。おいしいものを作ることも好き。
なりわい:細々と韓国語の翻訳をやってます。詳しくはこちら

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